ホタル(蛍)の生態

夜に美しい輝きを放つホタル。わざわざその光を目指して旅をする人も少なくありません。しかしホタルの生態は必ずしも知られているとはいえない面もあります。そもそも、光るホタルは実は少数派であることもあまり知られていないのではないでしょうか。

 

国内には44種類のホタルが生息していると言われていますが、そのうち光るのはたったの14種類。しかも光らないホタルの大半は昼間に活動しています。つまり夜に活動し、闇の中で美しい光を放つホタルのイメージは種類全体では必ずしも正しいものとはいえないわけです。じつは、水田などでなにげなく見かけてそのまま素通りとしてた昆虫がホタルの一種である可能性だってあるわけです。

 

とはいえ、光るホタルを見る場合にはまず現れる気象条件を把握しておくことが必要となるでしょう。条件はなかなかに厳しく、まず暗い夜であること。伝統がまぶしく輝いているのは問題外として、月が明るく輝いている場合でも飛びません。またあまり寒くなく、風が少ないことも条件。とくに風はホタル観察の際には事前の気象情報をよくチェックしておきたいポイントです。なかなかホタルが光る様子を見るのが難しくなっているといわれていますが、その背景には数そのものが減っているだけでなく、こうした条件を満たす環境が少なくなっている面もあるのです。

 

当然、騒がしくしたり、明かりをつけたりすると飛んでくれません。それだけにこうしたホタルの生態を知り、マナーを踏まえたうえで観察することが求められるわけです。

ホタル(蛍)が見られる時期と場所

ホタルが見られなくなったといいます。都心部で見ることはもう不可能といってもよいですし、以前簡単に見られた場所でもめっきり少なくなった、という話もよく聞きます。これはホタルの数が少なくなったのもありますし、光って飛ぶ環境が少なくなったのも大きな原因です。

 

ではホタルはどのような場所で、どのような時期に見られるのでしょうか。まず憶えておきたいのはホタルは湿気を好むこと。ですから水がある場所が理想的です。高齢者の中には昔田んぼや用水路でホタルが光るのを見た記憶を持っている人も多いでしょう。できるだけ湿度が高いところがまずポイントとなります。

 

それから暗いところ。ホタルが光るのは交尾するため。つまりオスとメスが出会うためです。明かりがあるとそんな出会いが邪魔されてしまうため、光らないままじっとしてしまうのです。街灯など明るい照明がない場所を選びましょう。ホタルと出会える名所ではシーズン中に暗くするなどの配慮が行われているところもあります。

 

時期では梅雨時。やはり湿気が影響するのでしょう。またホタルは5月下旬~6月上旬に成虫となり活動が活発化するのも理由として挙げられます。それから時間帯は暗くなってから午後9時くらいまで。それ以降になると出会ったオスとメスが交尾をはじめるので飛ばなくなります。カップルを邪魔するような野暮な真似は避けたいですよね。

 

ネットなどでホタルが見られる場所を調べることができますが、できれば自分だけの「ホタルの名所」を見つけて鑑賞してみたいものです。

ホタルが見れて感動!

ホタルが光ながら飛び回る光景はなんともいえない感動をもたらすものです。よく「幻想的」「神秘的」などと評されますが、実際に見た時にはそんな言葉も思い浮かばないほどです。

 

そんなホタルの感動は視界に移る感動もさることながら、シチュエーションも大きなポイントになると思います。わたしがホタル観察を行った時にはとくにその点を痛感させられました。

 

よく知られていますが。ホタルは気難しい(?)昆虫です。周囲が明るかったり、うるさかったり、あるいは肌寒かったりすると飛んでくれません。草むらに隠れたまま光らずにじっとしてしまいます。ですから観察するわたしたちもそんな環境を見極めたうえで観察の日時を決めることになるんです。しかもわたしたちがホタルが飛び回る環境を壊してしまうわけにはいきません。ライトの明かりで台無しにしないためにも暗い夜の中をじっと待ち続けることになります。その雰囲気がまた独特なのです。もしかしたら光ってくれないのではないか、すぐそこにホタルがいるにも関わらず期待に応えてくれないんじゃないか。待ち続けているうちにそんな不安が心をよぎります。だからこそ、ホタルが飛び始め、光り始めた時の感動が倍増するんです。

 

テレビなどの映像でホタルが飛んでいるシーンを見たことがある人も多いでしょう。でもやっぱり実際にその場で見てこそ。ホタルが好きな人は自然の環境で、実際に確かめてみて欲しいものです。忘れられない経験となること間違いなしでしょう。